V 自然豊かな街づくりむらづくりをめざして

 人にとって心が落ち着き安らぎを感じる「農」の風景。まさに、登米・栗原の原風景は「農」の風景である。しかし、この「農」の風景は今、開発という名のもとに少なくなりつつあるのが現状である。池沼・湿地・草地・雑木林など多種多様な自然の復元に取り組み、自然豊かな「農」の風景を取り戻すときにきている。

 都市部においても、現代の過密都市の中に自然をつくりだし、更には、「農」のある街づくりを推進することも重要となってくる。それは、都市住民に安らぎを与えるからである。「農」のある街づくり、それは、農村地域と遊農・楽農・援農などで交流することで、原風景としての「農」の風景、自然豊かな風景を都市部にも追い求めることができるのである。

 都市と農村が交流すること、それは、都市にも農村にも、心安らぐ自然を回復させることになり、更には、地域の活性化にもつながっていくのである。是非一人一人が、地域が、行政がビオトープやグリーンツーリズム・エコツーリズムに取り組み、豊かな地域を創造して欲しいものである。

 最後にまとめとして、自然に関すること、農業に関すること、地域活性化に関することを提言する。

自然環境を豊かにするために
  1. 街の中や田園などにビオトープをつくりだし、更にビオトープをネットワーク化する。(自然とのふれあいの場が増え、グリーンツーリズム・エコツーリズムにつながる。)
  2. 貴重な自然が残っている地域、伊豆沼や蕪栗沼、栗駒山周辺は、ワイズユース(エコツーリズム等)に取り組む。更には、人工物を少なくして、自然の復元を図り魅力ある地域にする。(全国どこに行っても有名な観光地は同じような開発を行なって、同じような建築物が林立している。したがって魅力ある観光地は少ない。スキー場やゴルフ場も自然を破壊するだけで、活性化には役に立たない。人と人との交流も生まれない。自然との共生の中でこれからは活性化する。)

農業を楽しくし地域の活性化を推進するために
  1. グリーンツーリズムを推進し、都市部の方々と交流を図る。(農業体験・特産物の開発・観光農園・B&Bなどの取り組みで交流が深まる。また、交流が深まるとIターンが増える。)
  2. 無農薬・減農薬有機栽培の取り組み推進。(多くの方は、無農薬・低農薬栽培の安全な作物を求めている。また、取り組むことによって消費者との交流も出てくる。)