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JOGA
JOGA10
(2008)

東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・鳥類学研究者グループ:JOGA
第10回集会「ガンカモ類外来種の現状と対策及び今後の課題」

企画趣旨の説明

ガンカモ類外来種の概況について

呉地 正行(日本雁を保護する会)


 ガンカモ類の中には、国外から移入され、様々な形で飼育されているものが少なくない。これらの中にはいわゆる「篭脱け」となって野生化したものや、飛翔不能の処置を行った上で、開放型の池で飼育されているから生まれた飛翔可能なヒナが野生化したものなどが各地で観察されている。また、何らかの理由で野生化した個体が野外で繁殖を開始したことが、確認されている種もいる。

図1.コブハクチョウの全国分布図.
コブハクチョウの全国分布図(インターネット自然研究所・全国ガンカモ飛来情報より作成)

オオハクチョウの親子の写真
有珠川(苫小牧市)で繁殖したオオハクチョウ(盛田徹氏撮影)

カナダガン大型亜種の親子の写真
河口湖で繁殖したカナダガン大型亜種(山田悦一旦氏撮影)

 ハクチョウ類では、外来種として野生化したコブハクチョウ Cygnus olor が以前から各地で観察され、最近はオーストラリア原産のコクチョウ Cygnus atratus の目撃事例も増加してきた。また、何らかの理由で残留したオオハクチョウやコハクチョウの国内での繁殖成功事例も複数の地点で確認され、新たな課題となってきた。

 ガン類では、北アメリカ原産のカナダガン大型亜種 Branta canadensis が、富士山麓を中心に繁殖分布を拡大している。またカモ類については、飼育されていたマガモまたはマガモ系アヒルが野生化したものと思われる個体が、留鳥である野生のカルガモと交雑した事例が各地で報告されている。今回はこれらの外来種に注目し、その分布と個体数の変遷、その生態、移入された経緯とその現状などについて、関係者から報告をして頂き、それらを踏まえ、これらの外来種の管理手法を含めた課題の抽出を行い、その解決に向けた議論を参加者とともに深めたい。

[JOGA第10回集会「ガンカモ類外来種の現状と対策及び今後の課題」2008年9月13日]

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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg013v.htm
2008年9月9日掲載,JOGA