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JOGA
JOGA11
(2009)

東アジア・オーストラリア地域渡り性水鳥重要生息地ネットワーク(ガンカモ類)支援・鳥類学研究者グループ:JOGA
第11回集会「急増するガン・ハクチョウ・カモ類の原因や影響を巡る鳥学的課題」

講演3−1

ガンカモ類の生息調査データに見る個体数インデックスの変化

神山 和夫(バードリサーチ)笠原 里恵(東大緑地植物実験所)


 ガンカモ類の生息調査は環境省によって1970年から全国で続けられている調査だが、このような長期の調査では調査地の新設や廃止、調査の欠落などがあるために個体数の変化を把握することが難しい。解析手法の一例として、モニタリングから得られたカウントデータを解析するソフトウェアである TRIM (TRends & Indices for Monitoring data) を用いた個体数インデックス作成と増減判定について紹介する。

TRIMの日本語手引き, バードリサーチ;
TRIM, Statistics Netherlands.

TRIM (TRends & Indices for Monitoring data) を用いたデータ解析

 観察値の期待値を地点の効果と年の効果の関数とし、カウントデータからポアソン分布を前提とした一般化線形モデルを用いて推定する。データの欠落が補われた予測値から、対象個体群における毎年の豊富さ、年の間の変化、複数年にわたっての傾向を把握する。

個体数インデックスと増減判定

図1
図1.大阪府のマガモの個体数インデックス

 モデルで推定された個体数の期待値を用いて1996年を1としたインデックスを作成した。はじめに13年連続調査された調査地のみでインデックスを作成し、データが少なく傾向を判定できない場合には12年以上や11年以上調査されている調査地を順次追加した。さらにインデックスの作成に使用しなかった調査地でも個体数の傾向を検討し、異なる傾向が現れていないかを確認した(図1)。

 解析期間全体での個体数の増減の傾向は、各調査地の個体数の期待値の総和(毎年の各府県での総個体数)の対数を目的変数、時間(年)を説明変数とした直線回帰の傾きと信頼区間の上下を用いた指標から判定される(表1)。

表1.府県の増減一覧: ○大幅増加, △増加, ▼減少, ●大幅減少, −増減なし, 空欄は判定不能。太字の府県は欠損した調査地の個体数推定も行った。それ以外は13年連続した調査地だけで判定した。(ガンカモ類の生息調査のデータは環境省生物多様性センターの生物多様性情報システムで公開されています

秋田宮城福島埼玉群馬山梨静岡新潟富山石川福井京都大阪徳島愛媛島根大分長崎
オシドリ













マガモ
カルガモ
コガモ
トモエガモ
















ヨシガモ








オカヨシガモ




ヒドリガモ



オナガガモ



ハシビロガモ







ホシハジロ


キンクロハジロ



スズガモ









ホオジロガモ













カワアイサ









ウミアイサ











ミコアイサ















ツクシガモ















[JOGA第11回集会「急増するガン・ハクチョウ・カモ類の原因や影響を巡る鳥学的課題」2009年9月21日]

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URL: http://www.jawgp.org/anet/jg014d.htm
2009年8月31日掲載, 10月15日更新(参考資料リンク追加), JOGA